日々の瀬戸内国際芸術祭の様子や瀬戸内のいいひと、いいこと、いいものをお伝えしていきます。

瀬戸内宝探し:豊島

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2009.03.22

唐櫃(からと)地区の"清水"

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3月20日、瀬戸内国際シンポジウム会場でスライドで紹介された唐櫃地区にある"清水"

島が持つイメージに"水が無い"ということがある。けれども豊島は
名前のとおり豊かな島で水が豊富にあり稲作も盛んであった。かつ
ては,米を輸出していたほどである。

唐櫃地区にある「清水」。
清水では一年中を通して水が湧き出ている。この水と山の斜面をい
かしてひな壇のような水場が築かれている。冷蔵庫もなく水道もひ
かれていなかった時代、ここは地域の方にとって生活の場であり井
戸端会議の場であり、また大切な信仰の場でもあった。清水に出会
い揺り動かされた鉄の彫刻家、青木野枝さん。鉄から想像するのは
鉄の強さで人を圧倒するような作品かと思うと全く違う。鉄である
ことを忘れてしまうような空気や光や風を感じる作品だ。

〜作品の置かれる場所とのかかわりを大切に考え、今までの「彫刻」
にはない新しい彫刻のかたちを作りあげた。2006年新潟県の「
越後妻有アートトリエンナーレ大地の芸術祭」をきっかけに、地元
の田植えに毎年参加したり、子どもを対象にした「鉄のワークショ
ップ」を積極的に開催するなど、作品発表だけでなく、制作に関連
した様々な活動を行っている。〜(シンポジウムプログラム参照)

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左から三番目が青木野江さん

青木さんを揺り動かした場所、清水。そして次に青木さんを大きく
揺り動かしたのは昭和4年生まれの地域に住むおじいちゃんだ。
「おじいちゃんの話を聞けば聞くほど、最初に描いたものが恥ずか
しくなる。今は、とにかくおじいちゃんの話を聞いて録音して、そ
こからだ。」と青木さんは話した。

地域の方が大切にしてきた場所に一体どんな現代アートが置かれる
のか?とんでもないものが置かれることで、これまで地域が紡いで
きたことが壊されてしまうのではないか?恐らく地域の方が一番心
配していることだと思う。

青木さんが一番悩んでいることでもある。「生活の場であり信仰の
場であった清水。ここを掘り起こしたいけれど、変えることがいい
のか変えないことがいいのか?。これまで続いてきた時間を切らな
いようにしたい。生まれた尊敬の気持をどう表現していけばいいの
か?」と話された。

地域の方にとって心の拠り所でもあろう「清水」。青木さんが関わ
ることで地域の方にとってますます大切な場になることを願う。

Posted by 明かり